腎臓と飲水量・尿の話
腎臓に異常があると、このような症状が現れます。
- 最近水を良く飲む
- 尿の回数(量)が多い、色の変化(赤い・薄くて透明など)
- 体重が減ってきた
- 吐く
- 食べない
慢性腎臓病は、全身状態や基礎疾患の有無、これまでの治療歴などを考慮し、必要な治療をしながら定期的な検査を行い、動物の状態を把握することが大切です。
検査には血液検査をはじめ、尿検査、血圧測定、エコー検査、X線検査などがあります。
治療には、水和の維持(飲水量を増やす・点滴をする等)、腎臓療法食を食べる、高血圧やタンパク尿の治療、貧血の治療などがあり、状態により必要とされることは様々です。
多尿により脱水傾向を示す動物が多いので、それを補うため(水和を維持する為)に点滴をすることが多い疾患です。
日々の飲水量を増やすことはとても大切です。水を飲む器の材質の変更や、飲み水の場所を増やす、1日1回以上の水の交換、ウェットフードを利用する、など色々な工夫をしてみましょう。それでも飲水量が増えずに脱水傾向がある場合は点滴を実施しますが、漫然と行うのではなく動物の状態をみながら適切な頻度と量にします。
高齢の猫や品種などによっては基礎疾患として心筋症をもっていることもあるため、皮下点滴をする際は胸部X線検査や心臓エコー検査を行い心臓の評価を行ってから点滴をするなどの注意が必要です。
慢性腎臓病は、特に高齢の猫では多く認められる病気です。早期に診断し治療を開始してあげることで生存期間やQOL(生活の質)を改善出来る事が分かっています。
上記の様な症状が無いか、日頃から動物の状態を観察して気になる事があれば動物病院に相談しましょう。
また定期的に健康診断を受けることで病気の早期発見ができ早期の治療介入にもつながりますので是非ご相談ください。
尿は出ていますか?
ヒトもそうですが動物も1日1回以上は尿が出ないと異常です。
特に冬の寒い時期に、猫ちゃんがトイレに行くけどなかなか出ない、出てはいるけど少ししか出ず何度もトイレに行く、尿が赤いなどの症状はありませんか?
尿が出ない時間が長くなればなるほど急性の腎臓病になる可能性が高まり、最悪亡くなってしまうこともあります。
排尿に異常が認められたらすぐに病院に相談するようにしましょう。